奈良の旅館大正楼

山の辺の道の万葉歌碑

歌心を今に伝える万葉歌碑

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万葉の時代に生きた人々による歌の特集です。

優秀な作詞家が多かったようですね。現代に蘇る秋元康、阿久悠といったところでしょうか。歌心は昔も今も変わりません。

山の辺の道は、若い男女が互いの想いを歌に託した歌垣の舞台としても有名です。

歌垣→さしずめ、現代のカラオケボックスやクラブといったところでしょうか。椿の並木道の続く辻では、古代の求婚の場となった歌垣が行われ、 春秋には遠くから着飾った青年男女が集まり、恋のかけあい歌を投げ合いました。

あまくもに ちかくひかりて なるかみの みればかしこみ ねばかなしも

天雲の近くで光って鳴る雷のように、あの方にお逢いすれば恐れ多くて近寄れず、お逢いしなければ悲しいのです。

山の辺の道の蜜柑の花 大神神社祈祷殿

山の辺の道に咲く蜜柑の花と、大神神社祈祷殿。

万葉歌に付く現代語訳

磯城瑞籬宮跡の万葉歌碑

磯城島(しきしま)の 日本(やまと)の国に 人二人 ありとし思はば 何か嘆かむ

この大和の国に私の愛しいと思う人が、もし二人もいると思うのだったら、何をあれこれと嘆くことがありましょう。 私の恋しい人はたった一人しかいないものだから、あれやこれやと気を遣うことばかり多いのです。

海柘榴市の万葉歌碑

紫草(むらさき)は 灰さすものぞ つば市の 八十(やそ)のちまたに あえる児や誰

たらちねの 母がよぶ名を 申さめど 道行く人を 誰と知りてか

「つば市の辻で出会った貴女は何という名前ですか」
「あなたが名前をおっしゃれば、母が私を呼ぶ名前を申しましょう。でも、あなたは一体誰ですか。道で行き会ったあなたを誰とも知らずに、名前を申し上げることはできません」

磯城瑞籬宮跡 崇神天皇の伝皇居跡、山の辺の道の名所。