荒神の里の笠そば
奈良県桜井市三輪は素麺の名産地です。
その東方に位置する笠地区は蕎麦の産地として知られています。
笠には荒神様(かまどの神様)が祭られていることから、笠荒神様にあやかって名称が考えられたようです。 この辺りは標高400~500mの大和高原の丘陵地帯となっていて、元々野菜を中心とした稲作との複合経営がなされていました。 笠地区の寒暖の差が風味あるソバを生み出す原動力となっています。
笠そば処で荒神そばを注文しました。
桜井市笠地区で蕎麦を満喫
そば打ち体験教室
本場の笠そばはコシがあって美味しい!そばの実を石臼で挽き、挽きたての粉を丹念に手打ちします。さらに井戸水で茹でるという手の入れようです。 デザートにはそば寒天を頂きました。
こちらのお店では、そば打ち体験も楽しむことができます。
手打ち教室の所要時間は2時間で、費用は1こね1人分2,500円となっています。エプロンと三角巾さえ持参すれば、そば打ち体験がエンジョイできます。
蕎麦の花に囲まれるそばピクニック
笠エリアでは、9月ごろになるとそばピクニックが催されます。
高原一帯に咲いている蕎麦の花を見て歩き、蕎麦を食べながら地場産の新鮮な野菜を買ったりして、楽しく一日を過ごすことができるイベントです。
笠のそば処の隣には農産物直売所が設けられています。
小さなお土産物屋さんも併設されており、名物の笠そば以外にも、女性や子どもに喜ばれそうな”そばかりんとう”が販売されていました。
救荒食物として栽培された蕎麦の歴史
蕎麦の原産地はシベリアとも云われ、寒冷地のやせた土地に出来るとのことです。
「続日本紀」によると、44代元正天皇の時代に雨が降らず稲が成長しなかったので、詔して自生の蕎麦の栽培をさせたと書かれています。 また、54代仁明天皇も畿内に蕎麦を植えることを奨励されたとの記録があり、奈良時代や平安時代に既に蕎麦を救荒食物としていたことが分かります。
大和の名産として徐々にその名を広めつつある笠の蕎麦、是非一度お試しあれ。