奈良の宿大正楼

横大路の三輪神社

桜井市西之宮に鎮座する三輪神社

三輪神社と言っても、三輪山を御神体とする三輪明神大神神社ではなく、お伊勢参りで賑わった横大路に鎮座する三輪神社のことを言います。
JR香久山駅から程近い場所にひっそりと佇んでいます。

横大路の三輪神社 三輪神社の槻

三輪神社拝殿と、御神木の槻(けやき)の巨木。

三輪神社は国道165号線沿いの、産直広場てんこもり(スーパーエバグリーンプラス橿原膳夫店)からも徒歩圏内にあります。膳夫(かしわて)という地名からも分かりますが、 三輪神社の鎮座する場所は藤原京の北東隅に位置しています。古代の人々は食物を柏の葉っぱに盛ったことから、食事を司る人のことを膳部(かしはで)と言いました。 今もコスモスの名所として知られる藤原宮跡ですが、三輪神社はそんな古代の都跡と密接につながる場所に佇みます。

西国三十三所名所図絵にも描かれる御神木のケヤキ

三輪神社を語る上において、御神木の欅(けやき)を忘れてはなりません。

太い幹には空洞が見られますが、今もなおその場に立ち続け、往来する人々を見守り続けています。かく言う私も高校時代の夏休みに、三輪神社の槻の前を通って部活に 通ったものです。当時は何も意識せずに通った道ですが、宿を経営するようになってからは様々なものが蘇って参ります。

槻に秘められた神性

奈良県内各地を見回してみても、お寺や神社の近くに巨木の槻が立っています。

一番有名なところでは、飛鳥寺西方の槻の木がよく知られます。古代の宴が行われた場所でもあり、神様により近い場所であったことがうかがえます。

三輪神社の堂の礎石 三輪神社の金毘羅

三輪神社境内の堂の礎石と、金毘羅宮。

横大路と中ツ道の交差する場所に鎮座する三輪神社。
境内南西隅の水路の中には、古代寺院の痕跡ではないかと伝わる面堂の礎石があります。 地蔵堂の後ろを流れる用水路の中~そこに花崗岩製の礎石が残されていて、その直径は140cm、厚さは40cmにも及びます。

三輪神社の御祭神

三輪神社の祭神は大物主櫛甕玉命(おおものぬし くしみかたまのみこと)です。
主祭神を大物主櫛甕玉命とし、末社祭神として、内垣内にあった白山神社(菊理姫命)を合祀しています。菊理姫命(くくりひめのみこと)と言えば、 桜井市の安倍文殊院にも祀られており、縁結びの神様としても崇拝を集めています。

三輪神社の例祭は10月17日に執り行われます。
三輪神社からさらに横大路を西へ進むと、旅籠のあった八木札の辻へとアクセスします。